ミュージカル「舞台に立ちたい」
ミュージカル「舞台に立ちたい」
作品内容

3人のミュージカル女優の10年間に渡る友情と人生の変遷を、笑いと涙で描いたオフ・ブロードウェイ・タッチのミュージカル・コメディ。女性3人だけの出演者で、1時間55分、15曲のミュージカル・ナンバーを歌い踊り、コメディを演じる、 山口琇也とハマナカトオルコンビの小さな代表作。ライヴハウスや小劇場での上演が可能です。

ミュージカル「舞台に立ちたい」
キャスト表
ミュージカル「舞台に立ちたい」
脚本
ミュージカル「舞台に立ちたい」
楽譜
作家より
3人の女性の肖像画
脚本・作詞 ハマナカトオル

ミュージカル「舞台に立ちたい」は、現在、ミュージカル座で上演している私の作品のなかでは最も古い脚本です。ミュージカル学校に生徒として通っていた22~23歳の頃、渋谷の公園通りにあった伝説的な小劇場「ジャンジャン」で、 松浦竹夫さん演出のテアトロ〈海〉公演「ヴァニティーズ」を観劇して、オフ・ブロードウェイの最長ロングラン記録を作ったこのストレートプレイに感動し、3度も観に通いました。それはケネディ政権時代の女性3人の人生を描いた作品で、 小劇場演劇の面白さに感嘆するとともに、こうした女性3人だけで演じる日本のミュージカルがあったらいいのに、という思いに取り憑かれ、創作を始めました。ミュージカル学校を卒業した後、24歳の時に書き始め、最初は今とは違うタイトルで、 私がミュージカルを学んでいた宝田芸術学園4階のホールで上演しました。私は脚本だけで、演出は別の方が担当。まだスタイルとして統一感がなく、決して優れた舞台とは言えなかったと思いますが、その時に、この作品の主人公である、 みゆきといづみとナナの3人のストーリーが生まれました。

公演終了後、みゆきといづみとナナの人生に愛着を持っていた私は、この作品をこのまま終わらせる気にならず、書き直しを決意。仕事の合間に10数年間に渡って書き続けましたが、別の作品は何本書き上げられても、 この作品だけはいつまでたっても完成させることが出来ず、タイトルもずっと未定のままで、自分でもあきれるような状態が続きました。舞台芸術学院ミュージカル部の演技講師を始めた35歳頃、ようやく「舞台に立ちたい」というタイトルが浮かびましたが、 ずいぶん変なタイトルだと思っていたので、しばらく頭の中で寝かせ、2年後、このタイトルが一番いいと確信した37歳の時に、今度こそはなんとしても書き上げるぞと決意して、「えいやっ」という思いで書き上げました。

ちょうどミュージカル座をスタートさせた年(1995年)で、新しく作るこの劇団には、この作品が絶対に必要だと感じたからでした。この時に、椅子3つだけで、ほとんど何も使わずにノン・ストップで演じる今のスタイルにすることを決め (それが大事でした)、そのスタイルに、これまで書いてきたストーリーを当てはめて行く作業を行いました。セリフと歌詞は、オーソドックスなミュージカル・コメディの書式にして、音楽はちょうどその頃「ひめゆり」などでコンビを組んでいた ビリー(山口琇也)さんに頼み、今の形に仕上げました。書き始めたのが24歳。書き終わったのが37歳。ボツにしたみゆきといづみとナナのセリフは、80ページ以上になりました。今では到底こんなマネは出来ませんが、私にとって、 この作品は「習作」だったのでしょう。私の周囲にいたミュージカルを目指す女性たちのエピソードが三人のドラマに凝縮されていて、青春時代の思い出を含む脚本でもあり、ミュージカル作家としての自分の原点のように感じて、ひときわ思い入れの強い、 愛する作品です。2019年4月、私が60歳の時の公演でもセリフと歌詞を書き直しましたので、24歳から60歳まで、35年以上も書き続けている作品ということになります。ライフワークと言えるかもしれません。 若い時からずっとミュージカルの道を歩んできた私が、周囲の空気から取り出したような、小さな3人の女性の肖像画です。

ミュージカル女優3人。そして、3つの椅子があれば簡単に上演出来る、最もシンプルな形のミュージカルです。予算をかけずにどなたでも上演出来る作品ですので、演じてみたい方は、どうぞ上演してください。ライヴハウスなどでも上演可能です。

ミュージカル「舞台に立ちたい」
作曲家プロフィール
山口琇也(作曲・編曲・音楽監督)

桐朋学園大学音楽学部卒業後、オペラ、ミュージカルの舞台に数多く出演。

また、スタジオプレイヤー(ベース、キーボード、ヴォーカル)、コンサートのバックミュージシャン、アレンジャー、指揮等々の経験を積んだ後、スタッフ活動に加わり、ミュージカルの分野では「ミス・サイゴン」「レ・ミゼラブル」「回転木馬」「42nd ストリート」「ラ・マンチャの男」「ベガーズ・オペラ」「ブラッド・ブラザーズ」「GOLD~カミーユとロダン~」「ダディ・ロング・レッグズ」等の音楽監督、並びにヴォーカルトレーナーを務め、コンサート、リサイタルの構成・プロデュースなども数多く手がけている。

また、タレント、歌手の方々のヴォーカル指導にも力を注ぎ、あらゆるジャンルに対応出来る声作りを目指している。 「ひめゆり」「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「ルルドの奇跡」「赤毛のアン」「ママ・ラヴズ・マンボ」「スウィング・ボーイズ」など、オリジナル・ミュージカルの作曲・編曲家としても数多くの作品に参加し、「山彦ものがたり」では文化庁主催海外公演(中国・ベトナム・韓国)を行い、英語台本でのニューヨーク公演は反響を呼んだ。

「ミュージカル座」の作曲・音楽監督として、オリジナル・ミュージカルの新作発表を目標に創作活動を続けている。その他、NHKをはじめ多くのTV番組の音楽スタッフとして活動するかたわら、若い才能の育成にも力を注いでいる。

2006年には舞台の音楽活動に対し菊田一夫賞(特別賞)、2007年には読売演劇大賞優秀スタッフ賞、2010年には日本演劇興行協会賞を授与された。ミュージックオフィスALBION代表。

ミュージカル「舞台に立ちたい」
作品ビジュアル
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ロゴ画像
メインビジュアル
チラシ表面
チラシ裏面
ミュージカル「舞台に立ちたい」
舞台写真
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動画
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