ミュージカル「ゴースト ミュージカル」
ミュージカル「ゴースト ミュージカル」
作品内容

プールで溺れて死んでしまった14歳の少年メルは、霊界の入り口に立っていた。やがて天使が現れて、メルは死んだばかりの人々と一緒に天国へと旅に出かける。メルと一緒に旅立つのは、野球選手、不良娘、タクシー運転手、主婦、おじいさん、おばあさんなど・・・。『死』という重いテーマを扱いながらも、ユーモアと楽しさにも溢れたこの作品は、死を通して生きることの大切さを歌い上げている。登場人物たちが並列に見せ場がある「紅白歌合戦」形式のショーでもあり、全員で歌い踊り演じることが出来るミュージカルの代表的作品。

ミュージカル「ゴースト ミュージカル」
キャスト表
ミュージカル「ゴースト ミュージカル」
脚本
ミュージカル「ゴースト ミュージカル」
楽譜
作家より
いかに死ぬか
脚本・作詞 ハマナカトオル

若い頃は「いかに生きるか」ということばかり考えていました。年をとって「いかに死ぬか」ということについて考えることが多くなりました。この二つは、同じことだという気がします。限りある人生を自覚して、残りの人生を生きるため、死について考えてみることは、意義のあることだと思います。

1994年の初秋、家内の母が末期癌で、医師から余命半年と告げられました。61歳と若く、元気な母の姿に信じられない思いでしたが、家族は、否応なく肉親の死に直面することになりました。一日中、母の入院する病院に付き添っていた家内を励ましながら執筆したのが、この「ゴースト ミュージカル」です。翌年の春、母の葬式で、寺のご住職が、人の一生は葉の上の水滴が池に落ちるまでの短い時間に例えられること。人の死は、生きている人に今をどう生きるべきか教えてくれるものだとおっしゃいました。愛する肉親の死に立ち会って、死んだ人のすべてが無になってしまうと考えるのは難しいことです。肉体はなくなっても、どこかで、残された家族のことを見守ってくれていると思いたい。そうすることで、死を納得し、故人との関係を続けて行きたい。そんな気持ちが働くのだと思います。

死とは何か。死んだらどうなるのか。人類最大の、永遠の謎です。宗教や哲学、多くの芸術が、この問いから生まれています。誰でも経験することでありながら、この世に経験した人がいないのですから、さまざまな考え方が生まれるのでしょう。私も実に多くの本を読み、考え続けて来ましたが、死を忌み嫌うものとして考えたことは、一度もなかったと思います。

この作品を書いていた当時の話をもうひとつ。私は1993年4月から専門学校舞台芸術学院ミュージカル部別科で教師を始めたのですが、私を舞芸に招いた前学長の兼八善兼先生は、奥様が癌になられて、最期の時をなるべく一緒に過ごしたいという思いから、長く担当されていた夜のクラスを私に譲ったのです。2年後、奥様のお葬式で、先生はマイクを手に、奥様との馴れ初めから癌の発病、末期の苦しみを経て最期の瞬間を迎えるまでを、淡々と、時に嗚咽しながら、20分以上に渡って話してくれました。私は、結婚式や葬式のスピーチで感動することなど、よもやないだろうと思っていましたが、その時の先生のスピーチは、一生忘れられないほど感動的なものでした。あまりに感動した私は、そのスピーチをよく覚えていて、この作品のセリフにそっと使ったのです。そして兼八先生に、「今度の作品は絶対に観てくださいね。」と言いました。「観ますよ、観ますよ。毎回必ず観ますから。」と元気な声で答えてくれました。初演の舞台が終わったあと、ニコニコ顔で褒めてくださってから、「俺が葬式でしゃべった言葉が出てきたようだなあ。」と、ご自身の姪である大井田容子さんにつぶやいたそうです。ところが、そのあと先生は突然脳梗塞で倒れ、私の舞台を観るのはこの作品が最後になってしまいました。今は、天国で最愛の奥様と安らぎの時を過ごしていらっしゃることでしょう。その姿を思い浮かべると、私はむしろ死を、幸福な気持ちで捉える事が出来るのです。

人間はいつでも必ず死ぬものですから、生きている間は、とても意味のある大事な時間で、きっと何か尊いことが出来るはずです。このミュージカルを通じて、今を生きることについて考えてみることが出来たら、素敵なことだと思っています。

ミュージカル「ゴースト ミュージカル」
作曲家プロフィール
山口琇也(作曲・編曲・音楽監督)

桐朋学園大学音楽学部卒業後、オペラ、ミュージカルの舞台に数多く出演。

また、スタジオプレイヤー(ベース、キーボード、ヴォーカル)、コンサートのバックミュージシャン、アレンジャー、指揮等々の経験を積んだ後、スタッフ活動に加わり、ミュージカルの分野では「ミス・サイゴン」「レ・ミゼラブル」「回転木馬」「42nd ストリート」「ラ・マンチャの男」「ベガーズ・オペラ」「ブラッド・ブラザーズ」「GOLD~カミーユとロダン~」「ダディ・ロング・レッグズ」等の音楽監督、並びにヴォーカルトレーナーを務め、コンサート、リサイタルの構成・プロデュースなども数多く手がけている。

また、タレント、歌手の方々のヴォーカル指導にも力を注ぎ、あらゆるジャンルに対応出来る声作りを目指している。 「ひめゆり」「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「ルルドの奇跡」「赤毛のアン」「ママ・ラヴズ・マンボ」「スウィング・ボーイズ」など、オリジナル・ミュージカルの作曲・編曲家としても数多くの作品に参加し、「山彦ものがたり」では文化庁主催海外公演(中国・ベトナム・韓国)を行い、英語台本でのニューヨーク公演は反響を呼んだ。

「ミュージカル座」の作曲・音楽監督として、オリジナル・ミュージカルの新作発表を目標に創作活動を続けている。その他、NHKをはじめ多くのTV番組の音楽スタッフとして活動するかたわら、若い才能の育成にも力を注いでいる。

2006年には舞台の音楽活動に対し菊田一夫賞(特別賞)、2007年には読売演劇大賞優秀スタッフ賞、2010年には日本演劇興行協会賞を授与された。ミュージックオフィスALBION代表。

ミュージカル「ゴースト ミュージカル」
作品ビジュアル
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ミュージカル「ゴースト ミュージカル」
舞台写真
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ミュージカル「ゴースト ミュージカル」CD

18曲のミュージカル・ナンバーを収録した

スタジオ録音盤CDです。

作曲・編曲・音楽監督/山口琇也  作詞/ハマナカトオル

メル/伊東恵里 天使/鈴木智香子 木村美穂 野球選手/高原辰也 タクシー運転手/中本吉成 不良娘/新藤幸子 ハトおばさん/川田真由美 美大生/狩俣咲子 おじいさん/萬谷法英 おばあさん/増田 愛 紳士/砂山康之 老人/広田勇司 少女/狩俣咲子

【収録曲】
「オーヴァーチュアー」「僕は死んだ」「はかない人生」「俺は絶好調」「遺言」「マリーへのプレゼント」「生まれた時は可愛い子」「ハトおばさん」「ミラクル」「ゴースト」「あの子の墓」「マイ・ミュージック」「結婚物語」「あなたの友達」「地上へ帰れ」「恋人」「素晴らしい人生」「ミラクル(フィナーレ)」

●お買い求めはミュージカル座へお問い合わせください。
ミュージカル座 TEL:048-825-7460