ミュージカル「タイムトラベラー」
ミュージカル「タイムトラベラー」
作品内容

タイムマシンを発明し、自分が生まれた理由を探しに時間旅行に出かけた、天才科学者ジョン・テイラーの数奇な冒険を描くSFミュージカル。

イギリスの天才科学者、ジョン・テイラー伯爵の古びた屋敷に、かつての大学教授仲間ジム・カーディガン伯爵が呼ばれる。カーディガンがその屋敷で見たものは、ジョン・テイラーが17年の歳月をかけて研究、完成させたタイムマシンだった。 ジョンは研究に没頭するため、大学教授の職を辞め、6年間、屋敷に籠もり続けていた。奥さんのリンジーだけが、彼の世話をしていた。

ジョンがタイムマシンの設計に心血を注いだのは、彼の家系に関する謎を知りたいためだった。彼の母親はどんな人だったのか誰も知らず、若くして死んだと言われていたが、その理由も場所も聞かされていなかった。祖父母は、 第二次世界大戦中に結婚しているが、祖父が戦死した後に、母親は息子を産んでいた。曾祖父母はタイタニック号に乗っていたが、どうして助かったのか記録になかった。17世紀、 シェイクスピア時代のイギリスに外交官として生きた先祖ヘンリーは投獄されて死んだが、その罪の理由は分からなかった。そして、テイラー伯爵家の家系図に最初に登場する「笑う男」と書かれた不思議な祖先の経歴は、全くもって謎だった。

「自分は、どのような過去の人たちのドラマを経て、今、ここに生きているのか?」ジョンはタイムマシンに乗って過去へと飛び、自分へと続く先祖たちの謎をさぐる。時間旅行の果てにジョン・テイラーが知った驚愕の真実とは!? そして、 「生きる意味」とは!? 

ミュージカル「タイムトラベラー」
キャスト表
ミュージカル「タイムトラベラー」
脚本

◆ミュージカル「タイムトラベラー」の作曲・編曲家は、宮﨑誠さんです。上演をご希望の方は、上演許可申請書を提出していただき、作曲家の許可をいただいてから、譜面を送らせていただきます。

作家より
SFアドベンチャーをミュージカルに
脚本・作詞 ハマナカトオル

昔から思っていたのですが、映画では普通にあるジャンルなのに、ミュージカルではあまり見かけないジャンルって、ありますよね。「SF」とか、「SFアドベンチャー」とかも、ミュージカルでは少ないかもしれませんね。 宇宙服を着て演じるようなブロードウェイ・ミュージカルって、あまり見たことないような気が・・・恋愛ものや歴史ものは、やたら多いのに。もっとも、舞台で映画「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」みたいなものを創ろうと思ったら、 莫大なお金がかかるでしょうし、舞台セット等の仕掛けも大変でしょうから、乗り出すプロデューサーはプレッシャーでしょう。もちろん、私たちは、そんな真似は出来ませんので、小劇場で、あえて何も使わず、お客様の想像力に委ねるかたちで、 SFアドベンチャーを創ってみましょう。それでも、ミュージカル「ファンタスティックス」で、平台のまわりを一周して「世界一周だ!」と豪語する場面は、私にとって、現実の世界一周と同じほどリアリティがありますので、 きっと出来ると信じています。映画のようにCGで全部描かなくてもいい。それが舞台の面白さ。SFアドベンチャーも出来ると信じて創作してみました。まだまだミュージカルのジャンルの可能性は、豊かに広がっていると感じながら。

発想のもとは、SF小説の古典であるH・G・ウェルズ(1866-1946)の「タイムマシン」と、NHKで放送されているTV番組「ファミリーヒストリー」です。孤高の伯爵がタイムマシンで自分の家系の謎を解き明かして行くというストーリーは、 「ファミリーヒストリー」を見ていて思いつきました。私自身が世界史大好き人間なので、『ヘンリー6世時代の消えた王子の謎とヴィクトル・ユーゴーの小説「笑う男」を組み合わせた話』『シェイクスピア別人説』『タイタニック保険金詐欺説』 『カーディガンとアール・グレイ発明の由来』『ノルマンディー上陸作戦の英雄伝説』など“諸説あり”の話題を、楽しいフィクションにして脚本を書きました。エンターテインメントに徹しようと考えていたので、執筆は楽しかったです。

作曲の宮﨑誠さんは、前作「結婚行進曲」のポップでキャッチーな曲調ではなく、重厚で奥行きのある格調高い音楽を創ってくださいました。どの曲を聴いても、宮﨑さんの素晴らしい才能が溢れ、私も欲が出て、 大曲の歌詞を送り続けることが出来ました。ミステリアスな謎解きドラマを豊穣な音楽で彩った新作ミュージカルを目指しました。初演の本番前から続編のストーリーを考え始めていた作品です。考古学者インディ・ジョーンズや、 「ダ・ヴィンチ・コード」の暗号学者ロバート・ラングドンのようなシリーズになると素敵なのですが。

ミュージカル「タイムトラベラー」
作曲家プロフィール
宮﨑 誠(作曲・編曲)

作・編曲、演奏、指揮、音楽制作、歌唱指導など、様々な方面から舞台音楽に携わり、主な音楽監督作品に「サイド・ショウ」「ビクター・ビクトリア」「プロミセス・プロミセス」「10ミリオン・マイルズ」 「ザ・ビューティフル・ゲーム」「モンティ・パイソンのスパマロット」「tick,tick…BOOM!」「スペリング・ビー」「Bare」「クロスハート」「ディートリッヒ」「ソォース!」「キャプテン翼」「ブロードウェイミュージカルライブ」シリーズ、 「華麗なるミュージカル音楽の世界 ガラコンサート」シリーズ、「ドラマティック・ミュージカル・コレクション」シリーズ、「The Harmony~DIVAの響宴~」シリーズ、ミュージカル・ライヴ「イチラス!」。 他に、劇団四季、東宝ミュージカル、宝塚歌劇団、音楽座ミュージカルなどにて、指揮、演奏、編曲多数。コンサートプロデュース、CDプロデュースも数多く手掛ける。SMAP、Kinki Kids、ケミストリー、ユン・サンヒョン、 FTISLANDらへの楽曲提供を行う。ミュージカル座には、2016年ブロードウェイ・ミュージカル「ブルックリン」で初参加。ハマナカトオルとコンビを組んで、2017年「結婚行進曲」、2018年「タイムトラベラー」を発表している。

ミュージカル「タイムトラベラー」
作品ビジュアル
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ミュージカル「タイムトラベラー」
舞台写真
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